【速報】「接続料」問題は事の本質なのか?


公正取引委員会が、従来3大キャリアに対して是正を求めるという報道が相次ぎました。そのうちauとソフトバンクが行っているという通称「4年縛り」については、適切な説明が行われていないと問題になる内容かと思われますが、「接続料の算定根拠が不透明」というものについては、本質的な問題なのだろうかと首をかしげるところでした。

接続料とは、「格安SIM」業者その他が他社(従来3大キャリア)のネットワークに接続する際に支払う金額であり、「格安SIM」業者にとってこの高い安いが経営に直結するのは確かです。従来、この接続料はドコモがいちばん安くソフトバンクがいちばん高いといわれ、ソフトバンク回線を利用した「格安SIM」サービスを始めるうえで障壁となってきましたが、auの接続料の下落幅が鈍化したためもあって、こんにちではauとソフトバンクはだいたい同じ水準になったようです。

公正取引委員会としては「接続料が不当に高いために『格安SIM』業者が不利益を被っているおそれがある」ということですが、はたして接続料が下がったからといって、この業界全体やユーザーにとってためになるものなのだろうか?という疑問が生じます。

確かに、「格安SIM」業者が回線を借りている分の支払いは、高いより安いに越したことはありません。昨今、「格安SIM」業者は過当競争のなか薄利多売に陥っており、相当な大手でも儲かってはいないといわれます。その体質改善にはつながるかもしれません。しかし、一方では、さらに値下げ競争が激化して、消耗戦に拍車がかかる可能性もあるといえるでしょう。

現状でも、使い方にはよりますが、「格安SIM」は従来3大キャリアに比して、低サービスである替わり低料金を実現しています。確かに同等サービスを利用しようとすればワイモバイルが拮抗する競争相手として存在しますが、ワイモバイルにしても従来3大キャリアに比べればずっとユーザー数が少ないと考えられているため、事の本質は料金面ではないところにあるのではないでしょうか。

接続料が安くなって「格安SIM」業者がさらに安い料金プランを出してきたとしても、「選択肢が多すぎてどこを選んだらいいか分からない」「利用に際して障壁を感じる」といったような弱点を持つ「格安SIM」が急速に普及するとは考えにくいのが現状です。個人的には「今後の『格安SIM』業者は、ユーザー数を増やすよりも既存顧客のブランドロイヤルティを高めるのを優先した方がいい」と考えていますが、「格安SIM」をもっと普及させたいという趣旨であるなら、「低サービス・低料金」を加速させるのではなく、既存の3大キャリアとは決定的に違ったベネフィットを見いだす方向に行かなければならないのではないか?という気がします。

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