「格安SIM」は依然「こだわりユーザー」のためのものか?


・2015年7月実施の「格安SIM」ユーザー利用動向調査についての所感
・依然、通話主体の端末とデータ通信用「格安SIM」端末併用が主流か
・「格安SIM」ユーザーは平均よりもデータ通信が多めで、ライトユーザーとは判断しづらい
・「格安SIM」ユーザーにとって、「格安SIM」を選ぶというのは単に「コストダウン目当て」だけではなく、「自分の使いたい端末を使うため」というのも含まれている
・「2年縛り」との兼ね合いで急速には変わらないという事情も考慮すべきか?

「格安SIM」業者レビュー第7回として扱う予定だった業者が「要経過観察」と判断すべき事態となったため^_^;、延期とさせていただきます。
たまたま「格安SIM」ユーザーの利用形態を知るうえで興味深い調査データを見つけましたので、今回はそれをテーマに扱いたいと思います。オリジナルの調査結果については、MMD研究所の「格安SIMに関する利用動向調査」(2015年7月実施)をご参照ください。

1)「格安SIM」は通話主体のガラケーと併用が多い
この調査によると、「格安SIM」1本で他に利用している端末のないというユーザーは、まだ2割にも達していません。過半数がガラケー(=フィーチャーフォン)と2台持ちであると回答しています。やはり、現状では「格安SIM」が通話面での弱みをカバーしきれないため、2台持ちで両者の強みを補完し合いながら利用しているユーザーが依然多いというのが実態でしょう。

なお、この調査では「格安SIM」使用端末のほかにタブレットを所有しているユーザーが多くなっていますが、Wi-Fiモデルを所有しているということなのか従来キャリアとの契約によるセルラーモデルなのかは明らかにされていません。しかし、この調査結果の合計パーセントを見るかぎりガラケーユーザーとタブレットユーザーは重複している度合いが高いと判断できるため、通話はガラケー主体とし、「格安SIM」はモバイルルータもしくはテザリング出来るスマホにて利用しつつWi-Fiモデルのタブレットを併用しているというユーザーが多いのではないか?と推測されます。

ちなみに、「格安SIM」での契約プランについても、「データ通信のみ」のユーザーが過半数となっており、音声通話が出来るプランを選択している場合は4割強に留まっています(幾分かはIP電話アプリで補完しているというユーザーが含まれる可能性もありますが)。

2)「格安SIM」ユーザーのデータ通信容量は平均よりやや多め
「格安SIM」ユーザーが契約している通信容量をみると、2GB~3GB程度が最多となっています。契約している容量をフルに使い切っているかどうかは不明ですが、これはスマホユーザー全体の平均に比してやや多めの通信容量と判断できるでしょう。

なお、音声通話が出来るプランを選択している場合は、やや契約容量が多めになる傾向があるようです。これは「格安SIM」1本を志向しているユーザーも、一定数はいるということでしょうか。

3)「自分の使いたい端末を買う」か、「従来の端末を継続して使う」か
「格安SIM」を利用している端末については、「格安SIM」業者が取り扱っている機種をセットで購入というケースは1割にも満たないようです。自分でSIMフリーのスマホ(新品)を購入して別個にSIMだけの契約をしている場合が3割程度、そして中古やオークションなどでスマホを入手しているという場合も15%弱となっています。また、SIMだけ契約してこれまで使ってきたスマホに挿しているという場合が25%程度となっています。

この結果を見ると、「格安SIM」ユーザーが「格安SIM」を選んでいる理由として、単に「コストダウン目当て」というばかりではなく、「自分の使いたい端末を使うため」という理由が含まれている場合が多いのではないか?と推察できるでしょう。また、現状行なわれている「格安SIM」業者の端末セット販売が、「初期投資を要する」もしくは「端末の割賦販売になると実質2年縛りと変わらない」ために、メリットが少ないという面もあるのかもしれません。

4)2017年前後から少しずつ事情は変わっていく?
この調査結果を見ると、「格安SIM」ユーザーは、

  • 「格安SIM」1本でいこうと試みているユーザーも一定数はいるようだが、まだまだ少数派。データ通信の補完を主目的として利用している
  • ライトユーザーよりも、ある程度こだわりのあるユーザーが利用しているケースが多い

というように見受けられます。自分がこれまで想定していた「格安SIM」ユーザー像が概ね妥当であったという感想を持ちましたが、反面、「格安SIM」が一部のこだわりのあるユーザーばかりでなく一般的なユーザーにまで浸透するのにはまだ時間がかかるのかな?というようにも感じられる内容でした。

もっとも、この問題を考える際、従来キャリアに存在する「2年縛り」の制約上、急速に環境を変えるのが難しいという背景も考慮に入れる必要があるかもしれません。つまり、大多数のユーザーが「格安SIM」を選択肢として検討したり、ガラケーの契約について見直したりといった行動をとるのかどうかは、少なくとも「格安SIM」という言葉が一般的なものとなってから2年のスパンを以って判断しなければならないということです。

以上のような点を考えると、従来キャリアがSIMロック解除の対応を義務化されて2年後にあたる2017年前後がどういう状況になっているのかによって、「格安SIM」が一般人のものになっているかどうかが判断出来る分岐点となるのかもしれません。

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